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蒼海・副島種臣書 石川九楊編 定価22000円 全301点中幕末維新期の書を筆頭に未公開作品は全掲載作品の約半数に上る

2003年 約232ページ。26.5㎝×34㎝

本書には、副島種臣の従来未発表のものを含む諸作品全301点を収録する。うち、167点をカラ-図版で掲載し、参考作品として134点をモノクロ図版で掲載して補足した。

副島種臣の書を集めた唯一の作品集副島種臣書が出版されてから既に35年以上、絶版となってからでも四半世紀以上を経過する。版元省三の最後の1冊を無理やり蔵から出させたのは、某元大物首相であったという風聞も耳にした。副島の書については、作品1点1点を見ていただければ一目瞭然であり、今更ここに付け加えるべきことはない。いささか広告コピー風だが、それでもこれが書だ。これこそが書だと言っておきたい。書に不案内の一般の人々には案外率直に評価してもらえそうだが、書する身には、読み込めば読み込むほどその巨大な営為に自らが何をなしえているのか絶望感に陥るほどであろう。

種々の制約はあったが、副島の全貌を明かすために可能な限りの作品を掲載すべく、本書は新規撮影を中心にカラー図版167点を掲載し、また、134点を参考図版としてモノクロームでこれを添えた。所蔵者各位の好意的な協力には心より感謝する。全301点中、幕末維新期の書を筆頭に未公開作品は全掲載作品の約半数に上る。展覧会図録発表含めても約3分の1の約100点は、初めて公開される作品である。手紙類は割愛したが、これによって、おおよその副島の書のアウトラインはたどれることと思う。石川九楊

 

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